おわりに

現場の医療では、なぜ痛むのか教えてもらえないこともしばしばです。「すぐに治らないのも仕方ないですよ」といわれながら、見通しが立たないでイライラすることもよくあるでしょう。このまま、永遠に痛みが取れないのじゃないかと悩むこともしばしばでしょう。
そんな「痛みが解決されない心の痛み」もとれることも主旨にしたいと思っております。

カラダのことで皆さんが知らないことが多すぎます。それもそのはずで、学ぶ機会がなかった筈です。カラダのことは一生の問題ですから、本来は義務教育で学ばなければいけません。特に、痛みがなぜ起こるのか、その痛みは何を意味するのか、放置すれば自然に治る痛みなのか、すぐに治療するべき痛みなのか、日常生活内で対処するにはどうしたらいいのか、病院に行けばどのような検査が行われ、医師がどのように考えて治療を施すのか、などは必須の知識といえるでしょう。

痛みはつらい症状ですが、体内の異変を教えてくれます。「痛い」という症状があったから、検査の結果早期のガンが見つかったということもしばしばです。せっかく痛みがでているのですから、その痛みを有効に活用することも考えなければいけません。

医者にとっての「他人事の痛み」に対して、患者にとっての親身の痛み
鎮痛剤で痛みをとってしまうと患者は喜びます。とりあえず今現在の目先を痛みをとりたいからです。ところが医師側の腹の中は、痛みをとってあげようという単純なものではありません。お腹の痛みを仮にとったとします。すると、その痛みの原因になるもとの病気が何だったのかわからなくなり、病名を診断するのが遅れることもしばしばです。だから意地悪のことに痛みをすぐにとらずに様子をみて痛みがどのように変化するかを観察することがあります。その間に「何で痛みをとってくれないんだ」という心の痛みが強くなることもしばしばです。

わたしが大学病院にいるときも、そのようなケースはしばしばあったものです。

いくら通院しても膝の痛みが治らない。
一つの痛みをめぐって医師の考え方と患者の考え方には格段の隔たりがあります。

いつも会員とともに生活するスタイルで展開する医療を行うわたしだけが気付く問題がたくさんあるのです。従来の医療システムの中に閉じこもっていたならば、絶対に気がつかなかったこと、身につかなかったことをたくさん得ることができました。その得たもの、学んだものを私は世に伝えていかなければいけないという使命感に駆られています。


名医がおしえる「からだの痛み」にすぐ効く本」(三笠書房/著者・風本真吾)に掲載されています。

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