はじめに

 外務省統計によると、毎年500人前後の日本人が海外で死亡しているそうです。その半数近くが、脳卒中か心筋梗塞だそうです。いずれも緊急治療を要する疾患です。

 海外に出かけた人が、健康面で万全を期するには、医師が帯同するのに限ります。しかし、「息子が医師」などという特殊な場合を除いては、現実上、医師帯同の個人ツアーを組むのは至難でしょう。

 医師同伴でないならば、どうなっていれば最も理想的でしょうか? それを考えてみましょう。

1) 日本人医師がその土地にいる

 となるのが、なんといっても一番です。はるか未来のことを考えると世界の各地に日本人医師がいるのがまさに理想的でしょう。しかし、現実的ではありません。 では、どうしましょう。

2) 受診するときは、英語で症状を説明できる

 のならば、悩む必要はありません。いや、でもちょっと待ってください。英語で今の症状を説明できても、持病がある場合、今までの持病の経過を英語で説明できるでしょうか。日本語でもできない人がほとんどですから、まず不可能でしょう。となると英語を話せても、一方で、

3) 持病があるときは、病状を英訳して手帳などに記録して持ち歩いている

 というのが必要になります。

4) 電話をかけられる日本国内の医師にあらかじめ話を通しておく

 という理想形も考えられますが、これも現実的ではありません。

「自己治療」できることの意義

 一方、診察に要する費用の問題もあります。治療費はバカになりません。ハワイで風邪をひいて、クリニックを受診し風邪薬をもらうと3〜4万円ぐらいの費用がかかります。費用だけならまだしも、クリニックでの手続き、その他に多大な時間と心労を要します。小さな病気でも面倒なのです。

 となると、現実的に満たさなければいけない必要最低限の問題は、

5) 小さな病気のときは、とっさに自己治療できる

 ということになります。

 

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