健康ワンポイントレッスン

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インフルエンザと免疫現象

身体内に「異物」「外敵」が侵入したとき、それに気づいて、追い出そうとする働きが「免疫」です。免疫システムの中では、様々な役割を担った細胞や成分が活躍しています。全身各部所で異物・外敵を監視し攻撃まで受け持つ働き者「マクロファージ」。異物に気づくと血管から追い出して異物を取り込み、無毒化して自爆する特攻隊「好中球」。マクロファージのサインを受けて出動する本格的攻撃部隊「リンパ球」。よく耳にするNK細胞やT細胞、B細胞などはこれです。さらに、B細胞は一度出会ったことがあるウイルスに一瞬で付着し、無毒化する「抗体」を生産し放出する役割を持っています。

これらの活躍により、私たちの身は異物や外敵から守られているのです。

さて、ウイルスが侵入してきてつらい思いをさせられる病気といえば、インフルエンザを思い起こしいます。インフルエンザウイルスが侵入してきたときに、どのような免疫現象が起こり、やがて治っていくのかを知っておきましょう。

インフルエンザにかかっている人が人ごみの中でくしゃみをしたとします。ウイルスは飛び散り、それを吸い込んだ人の気道粘膜に付着します。20分以内にウイルスは粘膜の上皮細胞内に侵入します。その時点で気道粘膜の上皮細胞は「ウイルス感染細胞」という非自己細胞=異物になってしまいます。ウイルスはどんどん増殖し、周囲の細胞にも飛び散っていきます。そして非自己細胞を見つけたマクロファージが集まってきて、ウイルス感染細胞を貪食し始めます。また、ほぼ同時にNK細胞も集まってきて、ウイルス感染細胞を破壊し始めます。しかし、ウイルスの増殖力の方が強いと、結局、ウイルス感染細胞は増えていきます。

これらの反応が起こっているのが「潜伏期間」で、ウイルス感染後2〜3日間の出来事です。軽い頭痛、咽頭痛、倦怠感、筋肉痛などの症状を感じることもあります。感染後2〜3日たった頃に、マクロファージは、ヘルパーT細胞に「ウイルス感染細胞がいるよ」というサインを送ります。その際にマクロファージはインターロイキン-1という物質を放出し、脳の発熱中枢に作用して発熱を促します。情報を受取ったT細胞はキラーT細胞に「ウイルス感染細胞を破壊せよ」という指令を伝え、キラーT細胞は増殖しながらウイルス感染細胞を激しく攻撃していきます。

そのときに、上気道などの細胞も破壊され、喉の痛み、咳、鼻づまり、発熱、倦怠感などの症状が激しくなります。これが、感染後2〜6日の出来事です。B細胞も同時に働きます。B細胞はプラズマ細胞へと変身して、IgM抗体を作ります。インフルエンザウイルスが抗体と結合すると、インフルエンザウイルスは感染力と増殖力を失い、感染は拡大することなく、インフルエンザは治癒していきます。治癒するまで6〜10日ぐらいです。プラズマ細胞に変身したB細胞は、すぐさまIgM型抗体を分泌した後、持久力のあるIgM型抗体を産生しはじめます。この抗体があるかぎり、二度と同じタイプのインフルエンザには感染しないのですが、困ったことに、インフルエンザはタイプがコロコロと変わるので、毎年別のタイプのインフルエンザに感染してしまうことがあるのです。

インフルエンザと免疫現象