●質問のテーマ=妊娠中毒症

 30歳の姪が今年妊娠をしました。5〜6ヶ月めにはいったところですが、身体のだるさを訴えるようになりました。本人や家族の人たちは「妊娠中毒症」ではないかと心配しています。「妊娠中毒症」について、詳しく教えてください。(Y.Kさん)

 

 「妊娠中毒症」とは、むくみ、高血圧、たんぱく尿を3大症状とする病気です。妊娠20週以降に見られることがほとんどで、むくみだけの軽いものから全身性の痙攣を起こす重症のものまでかなりの幅があり、妊婦の約1割がかかると言われています。

 原因ははっきりとは分かっていません。妊娠によって体の中に有害物質が生じて起こる、あるいは妊娠に伴って血液や循環器の変化に、体がうまく対応できなくて起こる、などと考えられています。

 重症化すると、妊娠中毒症が重症化すると子宮内で胎児が死亡する率が高くなったり、分娩時に仮死状態になったり、出産直後に死んでしまうことがあります。 また、常位胎盤剥離をおこしやすくなります。これは胎児がまだ子宮内にいるときから胎盤がはがれてしまうもので、はがれる範囲が広ければ胎児は酸素不足になって死亡しますし、多量に出血するため母体も危険にさらされます。

 それ以外にも腎臓の機能が低下するため、尿毒症を起こしたり、肺に水がたまって呼吸困難になることもあり、妊娠・出産にかかわる重大な病気です。

  もともと高血圧症があったり、慢性腎炎などの腎臓病のある妊婦さんは、妊娠中毒症になりやすく、症状も比較的早くからでる傾向があります。また、過去に妊娠中毒症になって、後遺症として高血圧症や腎臓病が残ってしまった場合は、次の妊娠でもなりやすいので注意が必要です。

 妊娠中毒症にかかるやすくなる素因として糖尿病、肥満、高齢出産、多胎妊娠などがあげられます。糖尿病の場合、体重4000kg以上の巨大児になりやすく、そのために心臓や腎臓に負担がかかって妊娠中毒症になる可能性が高いのです。妊娠以前から太りすぎている方や妊娠してから1週間に500g以上のペースで体重が増えている人は、やはり心臓や腎臓に負担がかかって高血圧症から妊娠中毒症になりやすいので注意が必要です。

 妊娠中毒症は早期に発見して、軽いうちに治しておけば母子ともに問題なく出産することができます。それには定期検診をきちんと受けて、異常なむくみはないか、体重が増加していないかなどを自分でも把握することが大切です。特に妊娠中期(妊娠20週)以降の定期検診で行うたんぱく尿・尿糖、血圧のチェックが重要で、妊娠中毒症を早期に発見するてがかりとなります。

 日常生活では塩分や、太りすぎを予防するため高カロリーの食事を控え、睡眠や休養を十分とるようにしましょう。

 

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