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戦後、日本人の平均寿命が伸びたわけ

 戦後すぐの昭和22年の頃は平均寿命52歳にすぎなかった日本がいつのまにか世界最長寿を成し遂げました。どうして平均寿命がそんなにも延びたのか、まずは成因を分析してみましょう。

◇ 栄養状態の改善。
 
戦後10〜20年は、食べるものがなく栄養不良の時代でした。この時代には免疫力が低下し、感染症に弱い体でした。栄養状態が改善して「丈夫な体」をもてるようになりました。

◇ 感染症治療の進歩。
 
抗生剤が誕生し、細菌感染の治療が容易になりました。戦後すぐの頃は「怪我をして膿んでそのまま死んでしまった」などという話がありました。いまでは滅多に聞きません。当然、結核などの長期的な治療後に死にいたる病気もめっきり減りました。

◇ 高血圧治療の進歩。
 戦後多かった死因の一つに「ぽっくり病」があります。「縁側に座っていた父が突然倒れてそのまま死んだ」という話をよく聞いたでしょう。これは脳出血が原因です。その脳出血をもたらしたのが高血圧です。高血圧の薬物治療が格段に進歩して、脳出血で死ぬ 人が極端に減りました。

◇ 国民皆保険制度の創設。
 感染症治療や高血圧治療などの医療がどれほど進歩しても、その医療を受けることができなければ意味がありません。日本には世界に冠たる「国家システムとしての国民皆保険制度」があります。どの人も格安で進歩した医療を受けることができるのです。驚くべきことに、アメリカなどの先進国でも、本人負担の医療費が莫大であるが故に、治療を受けられずに死んでしまう、という人も現実的にいるのです。

◇ 啓蒙活動。
 文盲率の低さなどにも支えられて、日本では、全国民に一つの情報を伝えていくことが容易です。それゆえの弊害としてブランド志向などが生まれていますが、こと健康に関しては好影響が目立ちます。「塩分を控えよう」と啓蒙すれば、とりあえず全員が「塩分を控えなきゃ」と思うようになります。健康管理を正しく学べば、間違いなく平均寿命は長くなります。いい例を長野県にみることができます。長野県の平均寿命は、もともと下位 10県に入っていたのですが、健康教育を県の行政活動として振興させた結果、いまでは、寿命の長さでは全国で1位 、2位を争う県になっています。

 ざっと以上の5つが挙げられますが、実はここから先のもう一つが重要です。